バッハの収入



−当時の貨幣から現在の円への換算方法−

銀1gあたり1000円で計算。
これは銀の価値ではなく、当時の日給が銀5g〜10gに相当したのを
現在の日本の日給を5000〜10000円と考えて置き換えた。

1ターラー=銀22.3g=22300円
1フローリン=1グルデン=銀17.3g=17300円
1グロッシェン=劣位銀2.2g=2200円

  肩書き 収入 現在の金額に換算
リューネブルク時代(15歳〜) ミカエル修道院の給費生:1700年

朝課合唱団員
交響合唱団員

12グロッシェン 26400円
ヴァイマール時代(18歳) 使用人(実質宮廷楽師):1703年3月 (年棒)27グルデン9グロッシェン

(臨時収入:オルガンの検査と弾きはじめ)

8グルデン13グロッシェン

(年棒)+(臨時収入)

486900+167000=653900円

アルンシュタット時代(18歳〜) 新教会オルガニスト:1703年8月 (年棒)84グルデン4グロッシェン

他、住居費と諸経費・ビール金

1462000円
ミュールハウゼン時代(22歳〜) 聖ブラージウス教会オルガニスト

:1707年6月15日

(年棒)84グルデン4グロッシェン

(現物支給)

麦3マルテル(1マルテルは約660リットル)

薪2クラフター(1クラフターは約6フィート立方)

柴6ショック(1ショックは60束)

魚年間3ポンド

(遺産相続〜エルフルトの母の実家の伯父トビーアス・レンマーヒルトより)50グルデン

(年棒)+(遺産)=1462000+865000=2327000円
ヴァイマール時代(23歳〜) 室内楽奏者兼宮廷オルガニスト

:1708年
(実質的には
市の教会音楽の指揮者でもあった。)

(前金)家財購入費10グルデン

(年棒)150フローリン

(現物支給)

とうもろこし18シェッフェル

大麦12シェッフェル

いかだ材4クラフター

ビール30アイマー

他、公的任務としてのクラヴィーアのレッスンや
楽器修理などの報酬があった。

(前金)173000円

(年棒)+α=(2595000+α)円

(昇給)1711年 50フローリン増額  
(昇給)1713年 13〜15フルーリン増額  
楽師長に昇格:1714年3月 (年棒)250フローリン (4325000+α)円
(昇給)1716年 わずか(エルンスト・アウグスト公のポケットマネー)  
(昇給)1717年 わずか(エルンスト・アウグスト公のポケットマネー)  
ケーテン時代(32歳〜) 宮廷楽長:1717年8月5日  

妻が専属の宮廷歌手に雇われる(1721年12月)

(契約時)50ターラー

(年棒)400ターラー

(本棒外追加給付)

宮廷楽団の練習に自宅を提供に対し、「住居提供手当て」として年額12ターラー

妻の月収:16ターラー16グロッシェン

(契約時)1115000円

(年棒)8920000円

(住居提供手当て)267600円

アンナ・マグダレーナの収入:月額392000円

ライプツィヒ時代(38歳〜) トーマスカントル兼音楽監督

:1723年6月1日就任式

(年収〜副収入含む)700ターラー

内訳

(本棒)87ターラー12グロッシェン

(年間の光熱費と薪代)13ターラーと3グロッシェン

(現物支給)

穀物16シェッフェル

薪:割木2クラフター6/4

ぶどう酒:復活節・聖霊降臨節・降誕節の3大祝祭:1リットル入り2缶

(音楽奉仕への謝礼)25ターラー

(葬式・結婚式:主収入)

1結婚式:2ターラー

1葬式:1ターラー15グロッシェン

(年間総収入)15610000円

但し、この中から部下等に給料を払う事もあった。

内訳

−安定した収入−

(本棒)1966500円

(年間の光熱費と薪代)296500円

(音楽奉仕としての謝礼)557500円

合計:2820500円

−不安定な収入(しかし主収入)−

1結婚式につき:44600円

1葬式につき:55300円

バッハの遺産(67歳で没)   (総額)1122ターラー12グロッシェン

内訳

(債券、紙幣及び貨幣)383ターラー

(銀器類と他の貴重品)251ターラー

(楽器)371ターラー

(錫、銅及び真ちゅう)16ターラー

(衣類と家具類)61ターラ−

(宗教関連の書籍)38ターラー

遺産相続

妻に三分の一

残りは九人の子供達に分配された

(総額)25047000円

内訳

(債券、紙幣及び貨幣)8540900円

(銀器類と他の貴重品)5597300円

(楽器)8273300円

(錫、銅及び真ちゅう)356800円

(衣類と家具類)1360300円

(宗教関連の書籍)847400円

参考文献
マルティン・ゲッグ著:ヨハン・セバスティアン・バッハ第一巻生涯(東京書籍)
ヴェルナー・フェーリクス著:バッハ−生涯と作品−(講談社学術文庫)
アルベルト・シュバイツアー著:バッハ(白水社)
フリードリヒ・スメント著:ケーテンのバッハ(白水社)

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