モーツァルト作曲 「魔笛」と「レクイエム」
音楽はそもそも振動の集合体だ。
そして振動は宇宙の法則に則って存在する。
そう考えると音楽は宇宙の律法と言ってもいい。

本来は堅苦しいはずの律法が身近な感情を表現するのだから
そしてそれはエクスタシーを伴うものだから
古今東西問わず音に憑かれる人間は後を絶たない。

そして宇宙の法則を感じるがゆえに
音楽に魅せられた音楽家には真の意味での博愛主義者が多い。

モーツァルトも例に漏れずそうだったと私は考える。

「魔笛」と「レクイエム」はモーツァルト晩年の年に同時進行で作曲された。

かたや、鳥の衣装を来た男や女神といったこの世のものではないモノが登場する歌芝居。
かたや、荘厳なミサ曲。

死を予感させる中で、特に「魔笛」などよく書いたなぁと若い頃は思っていたが
「魔笛」と「レクイエム」は異質なようでありながら実は同質で
結局はどちらも「人間はどこからきてどこに行くのか」を表している作品なのだと知った。

彼は死に怯えながらも、やがてくる恍惚を受容していたのだろう。
自らの作品から「宇宙」を学びながら・・・。




文献:「魔笛−秘教オペラ」ジャック・シヤイエ (著)/高橋 英郎・藤井 康生 (翻訳)/白水社/ISBN:4560036403/(1976/01)
私の愛聴CD:モーツァルト作曲レクィエム ニ短調 K.626/ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/ユニバーサルクラシック/ASIN:B00005FJ87



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