ヴァイオリニスト:ギル・シャハム
私はギル・シャハムに、たった15分で人生を変えられました。(笑)

数年前にBPOのジルベスターコンサートを衛星生中継で観ていた時の事です。
私はその頃はヴァイオリンの作為的に感じる演奏スタイルがキライで、
「あ〜次はヴァイオリンかぁ」とお盆に乗せた食器をキッチンに運ぼうと立ち上がった時に
ギル・シャハムはステージに登場しました。
「若い兄ちゃんだなぁ〜」と思ったのが運の尽き・・・

曲が終わるまで、私はお盆を持ったままその場に立ち尽くしておりました。

「生きている音楽」を聴かされました。

その時から、私はギル・シャハム、モトイ、音楽の虜になりました。(笑)


ギル・シャハムはどんなヴァイオリニストか。。

「美音」「卓越したテクニック」「魔法のボウイング」「ストラディバリウスの王様」等々、
彼を形容する言葉は巷に溢れかえっていて
今更私が何を言えるわけでもないのですが、ただひとつ
彼は決して”優等生なヴァイオリニスト”ではない・・というのが私の評です。
それどころか、メフィストフェレスの生まれ変わりかもしれない。。

王様であろうと一般市民であろうと、人間は食事をし、排泄もする。
そういう当たり前の「生」を彼は表現し尽くす。

そして彼が「死」を表現する時・・・・・
そんな時は来てほしくないなぁ〜




私の愛聴CD:Gil Shaham(Vn)/London Symphony Orchestra/ Lawrence Foster (Con)
Wieniawski: Violinkonzerte Nr1・Nr2 ・Legende・Sarasate: Zigeunerweisen/1 CD 431 815-2/DGG

記事に出てくるBPOのジルベスターコンサートのCDも発売されているのですが、あまりオススメできないです(笑
あの時はエキサイトしたギルのテンポがどんどん速くなってきて、最後の方には拍が合ってなかったのですが^^;
そのスリルや興奮は言葉にできない程でした。指揮のアバドは笑ってしまってたし、コンマスは必死にアバドとギルとオケの仲介をしていました。
私が立ち尽くした15分間はLIVEだったからこそだと思うのです。
彼はCDよりLIVEの方が面白いという、今時珍しい演奏家です。

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