シゲティとブゾーニのシャコンヌ
バッハのシャコンヌが好きで色んな演奏を聴いているが
中でもシゲティの演奏が一番好きだ。
シャコンヌが4小節ごとの64変奏からなるとして
23変奏以降のアルペジョのシゲティの演奏は
一つ一つの音、そしてその間にあるものが胸に迫ってきて気が狂いそうになる。
また、他の演奏家に比べてダウンボウを多く用いてると思うが(聴いただけなので確証はないが)
鬼気迫る緊張感は追随を許さない。
ピアノ版ではブゾーニ編曲のものが有名だが
やはりブゾーニ自身による演奏が最高だと思う。
実はこの演奏を聴くまで私のブゾーニ評は散々だった。
当時のオペラの、惚れた腫れたのやたら舞台上で男女が抱き合う接吻劇に怒り
オペラ「ファウスト」を手がけるも未完。
そのくせ「カルメンファンタジー」ピアノ版を作曲するが
最後は取ってつけたよな深淵なイ短調主和音で終わらせ教訓めかせる。(私の独断と偏見^^;)
そしてバッハのシャコンヌやらコラールを
これでもか〜っとヴィルトゥォーゾ的に編曲。。
いや、私は編曲作品自体は楽しくて好きだが
ブゾーニの場合、言ってる事とやってる事が違うではないかと思っていたのだ。
しかしブゾーニ演奏のシャコンヌを聴いて
「私が未熟でございました。数々の暴言お許しください」となったわけである^^;
彼のシャコンヌは極めて宗教的で
華美さ、虚飾が全くない。
ブゾーニにとって音楽は、彼の言う通り「神聖」だったのだ。
それでも地獄でブゾーニに会ったならば
21変奏の後にバッハの書いていない変奏を加えた理由を
是非聞いてみたいと思う私であった^^;
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